エル・チャルテンのトレッキング情報
フィッツ・ロイ山(3405m)を中心としたアルゼンチン氷河国立公園内の一大トレッキングエリア。フィッツ・ロイは別名チャルテン(煙を吐く山)とも呼ばれ、位置的には南部大陸氷原(パタゴニア南部氷原)に隣接しており、そのため雲が発生しやすく、いつも山頂付近に煙を吐いたように雲がまとわり付いています。
氷原上にそびえるフィッツ・ロイ(ヘビースモーカー)とセロ・トーレ(鉛筆)がこの地区の鋭鋒の中でも双璧といわれトレッキングルートもこの2つを拝めるポイントが人気です。一般に難易度はパイネ国立公園よりも低いとされますが、これはエル・チャルテンの集落からいずれも日帰りが可能な、アプローチの短さが大きな理由です。
見どころ紹介
光り輝くフィッツ・ロイ?
日の出から約10分程の短い間に、朝日に照らされたフィッツ・ロイが黄金色に輝きます。その日の気象状況によっては赤くも染まるこの光景は、“奇跡の絶景”と称されることも。
ロス・トレス湖で朝日に輝くフィッツ・ロイを見るには2通りの方法があります。
- 前日にポインセノット・キャンプ場に移動
- 深夜に宿泊先からトレッキングに出発
また、この光景を見るには、朝日の上る東側とフィッツ・ロイ山のある西側に雲がないことが条件になります。

前日にポインセノット・キャンプ場に移動する場合
登山口から8km程の地点にあるキャンプ場です。距離的にはロス・トレス湖まで2km程ですが、ここから一気に急こう配になり足元も不安定になりますので、日の出時刻の1時間前には出発した方が良いでしょう。設備は簡易トイレのみとなり、売店や宿泊施設などはありませんのでご注意を。
深夜に宿泊先からトレッキングに出発する場合
登山口からロス・トレス湖までのルートは約4時間掛かるとされていますので、日の出時刻より4時間半-5時間前には宿泊施設を出た方が良いでしょう。
ヘッドライトなどの足元を照らす装備が必需品です。特に深夜に出発する場合はほぼ明かりがありません。
登山口から1時間半ほどの所にフィッツ・ロイ展望台があり、そこからでも朝日に輝くフィッツ・ロイを見ることができます。不慣れな状況でのトレッキングに不安のある方は、そちらもお勧めです。
トレッキングルート
フィッツ・ロイを目指すコース

朝一番の澄んだ空気の中、チャルテンの集落を後にして歩き始めて1時間ほど経つと、カプリ湖へ向かう道とフィッツ・ロイを目指す道の分岐地点に辿り着きます。朝日に照らされたフィッツ・ロイは息を呑むほどの美しさです。その後、リオ・ブランコの清流沿いに平坦なルートが続きます。この小川の水はとても冷たく、疲れた身体に再び力が漲ってきます。
最後の急坂を前にポインセノット・キャンプ場で一息入れて、あとは一気の登り。「ここから1時間、苦しい登り。がんばって。」の立て看板に励まされながら400mを一気に登り切ると、目の前にはロス・トレス湖、そしてその後ろにそびえる標高3450mのフィッツ・ロイが・・・。(午後は殆どの場合、山頂は煙の中)
最後の1時間の登りを克服しないとフィッツ・ロイの雄姿は拝めません。ルート上、一部分かりにくい部分がありますが基本的にはリオ・ブランコに沿って、フィッツ・ロイの方向を目指せば正規ルートに戻れるようになっています。小川の清水は飲用可。
トイレはありませんので、事前にエル・チャルテンの集落かキャンプ場などの施設でお済ませください。ロス・トレス湖でフィッツ・ロイの雲が晴れるのを待ちすぎると、日のある内にエル・チャルテンの集落まで戻れなくなりますので注意が必要です。
全体的な難易度は中程度。日帰りを前提に、軽装で歩けるのが有難いですが、食料、防寒着、雨具はしっかり携行が必要です。
出発地点と到着地点の標高差 | 約+770m |
出発地点と最高高度地点の標高差 | 約+770m |
平均所要時間(往復) | 約8時間 |
道程距離(往復) | 約25km |
セロ・トーレを目指すコース

最初の坂を登り切ると、天気が良ければ、鉛筆型のセロ・トーレと”ヘビースモーカー”フィッツ・ロイを同時に望むことが出来る展望のよい場所があります。その後、森林ルート、草原ルートと、比較的なだらかな道が続くので、体力的にはそれほどきつくありません。但し、ゴール近くのデ・アゴスティーニキャンプ場まで水場がないので、エル・チャルテンを出発する際に、1リットル程度の水は携行しましょう。デ・アゴスティーニキャンプ場から1時間ほどトーレ湖を迂回する形で回りこむと、氷河を前面にした鉛筆がそびえています。
フィッツ・ロイルートと比べれば高低差もさほど大きくなく、気持ちのよい散策が楽しめるのが特徴で、途中、運がよければウサギやウエムル(小型の鹿)などに出会うこともあり、子供でも踏破可能なルートです。難易度は低いですが、前述したように飲料水の確保は万全に行われることをお勧めします。
出発地点と到着地点の標高差 | 約+400m |
出発地点と最高高度地点の標高差 | 約+400m |
平均所要時間(往復) | 約6時間 |
道程距離(往復) | 約23km |
便利情報
週間天気予報
今日
晴れ時々曇り
- 最高気温 36°C
- 最低気温 3°C
- 降水確率 100%
- 風速 23km/h
- 日の出 20:00
- 日の入 20:00
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トレッキングの際の注意点
エル・チャルテンにてトレッキングを行う場合は次の点にご注意ください。
- パイネ国立公園と比べて、キャンプ施設等の充実が遅れているため、日帰りトレッキングプランがお勧めです。
- 日の出、日没時間と相談し、暗くなる前にエル・チャルテンの集落に戻ることをお勧めします。
- 道中、ルート案内が消失しているところもありますので、念のため方位磁石、トレッキングマップは必携となります。
- 氷河上を吹き抜けてくる風は非常に冷たいので、防風、防寒着をご準備ください。
- ガイドを同伴する必要はありませんが、個人でトレッキングをされる場合は、単独行動をせず同行者を探されることをお勧めします。
- 上記人気の高い2ルートを結ぶ、madre e hija(母娘)というトラバース・ルートがありますが、あまり使われていないためか状態が良くありません。トラバースする際は、日没時間と相談の上、必ず明るい内にエル・チャルテンまで戻るような計画を立ててください。