チロエ島の観光情報
チロエ島はプエルトモンの南に位置する巨大な島と、その内海に広がる小さな島々から構成され、チリ本土とは違った独特の雰囲気を持つ土地です。特にこの島の教会の多さには驚かされます。
16世紀半ばから19世紀半ばまで、3世紀にも及ぶスペイン支配を経たこの島では、イエズス会の修道士達が懸命に布教活動などをすすめ、さらに原住民達が素直で新しいものを受け入れる姿勢を持っていたこともあり、教えは彼らの間に深く広まり、各地で次々に教会が建てられていきました。修道士達が内海の島々に村を建て始め、そこから内陸に向かったこともありその小さな島々に教会の多くが集中しています。
この地域の教会の特徴としては、簡素であること、塔が一つであること、木造であることがあげられます。また、巨大なもの、教会内の装飾が細部まで行き届きているもの、全体的に質素なものなどいろいろなタイプのものがあり私達の目を楽しませてくれます。また、現在16の教会が世界遺産に登録されています。
この地域の気候は、2つのタイプに分かれています。太平洋側は、常に湿った風が吹き、降水量が非常に多く、たくさん緑が生い茂っています。しかし、内海側は、アンデス山脈に守られ微気候であり曇ることはありますが、太平洋側に比べ少ない降水量です。夏はまさに避暑地としては心地よい温度で、避暑客、観光客が多数訪れます。ただし降水量が多いため、傘や雨具を持参しましょう。また島である為、チリ本土よりも高い湿度です。
アンクー

人口約4万人、標高40mのこの町は1767年にここを通る船等の監視のためチロエ島最北部に建てられました。後に、南太平洋で最大の要塞都市となるアンクーは、周りの環境、交通の便がよいこともあり、以前はこの地域の軍事、政治的中心地でした。
1820年、1824年にスペイン軍に支配されていた町がチリ軍によって攻撃されますが、攻撃は失敗に終わります。2年後に再びチリ軍が攻撃し、チロエ島の支配者アントニオ・キンタニジャ率いる軍隊に勝利して以来、チリ軍はこのアンクーの町を拠点に南へ進行していきました。その後チリ軍はチロエ島を支配し、アンクーの港町としての重要性が増します。
1912年にサンティアゴ~プエルト・モン間の鉄道敷設以来はプエルト・モン港が重要性を増し、アンクーは、その重要性を失ってゆき、チロエ島の首都がカストロに遷されました。
観光スポット
カウリンの港からアンクーの町にかけての沿岸は多くの鳥が集まり、それゆえに「鳥の聖地」と呼ばれています。クロクビ白鳥、フラミンゴ、ダイシャクシギ、カモ、サギ、カモメ等さまざまな種類の鳥が観察できます。この町の北西に海に面してサンアントニオの要塞があります。これは1770年に建てられたもので、港を通ろうとする不信な船から町を守っていました。
この要塞から南に下っていくとアルマス広場があります。この広場に沿って観光案内所、アンクー博物館があります。この6つの監視塔に囲まれ、中央に広場のある建物は、植民地時代スペイン人たちが使用していたものとまったく同じサイズのレプリカです。ここにはこの島や原住民の歴史、民芸品などが展示されていて、この島の神話について語られている部屋もあります。館内のお土産屋では民芸品を買うこともできます。
また、体力に自信のある方、もしくは車をレンタルした人はAntonio Burr通りを山のほうへ登っていくことをおすすめします。この頂上にはHuaihuen展望台があり、ここから町や運河などが一望できます。

- アンクー博物館(Museo Regional de Ancud)
- 開館時間 火曜日~金曜日 10:00~17:00 土曜日・日曜日・祝日 10:30~13:30(1月~2月は15:30まで)
- 入館料 無料

- プニウィル小島(Monumento Natural Islotes de Puñihuil)
- アンクーから25kmほど郊外にあるペンギンコロニーです。この小島はフンボルトペンギンとマゼランペンギン、2種類のペンギンのコロニーが共存する貴重な地域であることから、1999年に天然保護区に指定されました。ボートツアーが催行されていますが、環境保護のため1日の本数が制限されています。
カストロ

人口約4万人のチロエ島の中心に位置するフィヨルドに囲まれた港町です。パラフィートと呼ばれる湾岸に位置する水上家屋がとても興味深い風景です。
カストロは1567年にマルティン・ルイス・デ・ガンボアにより建てられた、サンティアゴ、ラ・セレナに次いでチリで3番目に古い町です。1594年には人口は8000人に達し、大部分の人が農業に従事し、麦、芋、大麦等を栽培していました。1837年の地震で町はほぼ廃墟と化し、その影響で、人々は北の港町アンクーに移動し、人口は約1200人まで激減してしまいます。
その後、アンクー~カストロ間に鉄道が通ったことにより人々が再び集まり始め、林業を中心に町は復興していきました。そして1982年にはチロエ島の首都に制定されるまでに至ります。現在、この鉄道は運行されていません。
観光スポット
町の中心広場に、観光案内所があります。また道を挟んで向かい側に、世界遺産に登録されたサンフランシスコ教会があります。これはイタリア人建築家によって設計され、この町のイエズス会修道士達により1912年に建てられたものです。長さ52m、幅27mという巨大なもので見応えがあります。チロエの教会の特徴として塔が1つだけということが挙げられますが、このサンフランシスコ教会は塔が2つになっています。
教会を正面にして右手の道を南に行くとカストロ博物館があります。ここにはチロエ文化に関するものが展示されています。特に、木製の鍵、楽器などが目を引きます。東の波止場には、ほかの島から小型ボートなどが集まり、海産物や手工芸品などを売っています。散歩のついでに覗いてみてはいかがでしょう。

- カストロ博物館(Museo Municipal de Castro)
- 開館時間 月曜日~金曜日 9:30~13:00、15:00~18:00(1月~2月は9:30~19:00まで) 土曜日 9:30~13:00(1月~2月は18:30まで) 日曜日 10:30~13:00(1月~2月のみ)
- 入館料 チップ制
ケジョン
人口約21000人ほどの町。チリ側パンアメリカン・ハイウェーはこの町で終わります。ここ南部は植民地時代は手付かずでしたが、20世紀になってから建設が始まりました。20世紀初頭に蒸留器の会社がこの場所に工場を建て、港を建設しました。
森林の伐採や牧畜の適用により景色は大きく変わりましたが、工場は20世紀半ばに倒産し、今は地方自治体のホールに写真を残すのみとなっています。現在はチロエ島で最も主要な、また最南端に位置する港であり、工業と漁業がとても盛んな地域です。
観光スポット
この町の中心に手工芸品市場があります。この市場はとりわけ毛織物、浮き彫りなどが美しく、月曜日と金曜日に市場が出ます。都合の合う方はぜひ行ってみて下さい。インチン・クイビ・アン博物館では、ここに住んでいた原住民の使っていた道具などが展示され、また彼らの歴史・文化などが解説されています。

- インチン・クイビ・アン博物館(Museo Inchin Cuivi Ant)
- 開館時間 月曜日~日曜日 10:00~13:00、14:00~20:00(1月~3月のみ)
- 入館料 $600
交通情報
アクセス情報

飛行機での移動
サンティアゴ~カストロ
- 便数週4便
- 所要時間1時間50分
サンティアゴ~プエルト・モン
- 便数1日6-8便
- 所要時間1時間40分(テムコ経由:2時間20分)

バスでの移動
サンティアゴ~プエルト・モン
- 便数1日3-数便
- 所要時間約14時間
プエルト・モン~チロエ島
- 便数7:00~20:30まで約45分に1本
途中フェリーにて移動となります。
便利情報
チロエ島の気候
月 | 最高平均気温 | 最低平均気温 | 月間平均降雨量 |
---|---|---|---|
1月 | 17℃ | 10℃ | 78mm |
7月 | 10℃ | 5℃ | 277mm |
週間天気予報
Powered by Dark Sky